今回の地震による建物被害は、石川県だけでこれまでに4万棟以上。また死因の9割は家屋倒壊によるものでした。サタデーステーションは、何がこれほどまでの建物被害をもたらしたのか、専門家と検証しました。(1月27日OA「サタデーステーション」より) ■揺れの瞬間映像に映る“危険な揺れ方” 地震発生当日、珠洲市内で撮影されたドライブレコーダーの映像。専門家が注目したのは、住宅の揺れ方です。 東北大学災害科学国際研究所榎田竜太准教授 「この左の建物が回転するかのような揺れを示すというか“ねじれ”が生じている。“ねじれ”の振動が入っているので、建物に”かなり厳しい揺れ”になっていると思う」 ■最悪クラス「キラーパルス」で揺れ増幅か “建物にとって厳しい揺れ”。その被害の実態を探るため、私たちは珠洲市へ向かいました。市内およそ6000棟のうち8割近い建物で全壊や半壊など何らかの被害があった珠洲市。そこで調査を続けているのが村田先生です。甚大な建物被害を招いた要因として、村田先生が指摘したのも「揺れ方」です。 金沢大学理工研究域村田晶助教 「『キラーパルス』と言われている(周期が)1秒前後の地震の揺れの成分が、建物と『共振』を起こすことによって、大きく揺さぶられた」 注目したのは、「キラーパルス」と呼ばれる特徴的な揺れの周期です。地震動の周期が短ければ小刻みな揺れ、周期が長ければ、ゆっくり大きく動く揺れになります。このうち特に、周期が1~2秒でやや短周期の揺れは、木造住宅の揺れを増幅させ、甚大なダメージを与えるため「キラーパルス」といわれています。今回観測されたキラーパルスは過去最悪クラスの威力だといい、その揺れについて地元の人は。 珠洲市の住民 「まず長い。今に止むか止むかといっても止まないんだよ」 「ぐるぐる回っとった感じだったよね」 ■キラーパルス再現同じ震度でも揺れに違い 被災者が“ぐるぐる回る”と表現した揺れは、どのようなものなのか。私たちは、地震のデータから揺れを再現・研究している施設を訪ねました。 名古屋大学減災連携研究センター飛田潤センター長 「データが地震計でとれてますので、それを使って揺することもできますし、将来の地震の揺れを予測して計算して揺することもできます」 今回比較するのは、「キラーパルス」で被害が深刻化した珠洲市の揺れと、同じ震度でも揺れの周期がより短い東日本大震災の揺れです。 【東日本大震災・仙台の揺れ】 仁科健吾アナウンサー 「揺れ始めました。小刻みに揺れています。小刻みに強く揺れます。結構揺れますね」 揺れは小刻みで、体が大きく振れることはありませんでした。 【能登半島地震・珠洲市の揺れ】 仁科健吾アナウンサー 「1つの揺れが大きいです。揺れの幅が大きいですね。こんなに揺れるんですね。怖い。踏ん張ってても重心が定まらない」 先ほどより揺れの幅が大きく、それに伴い体も大きく揺さぶられてしまいます。これが建物になると、更に大きな影響を受けます。私たちができる備えは何なのでしょうか。 名古屋大学減災連携研究センター飛田潤センター長 「震源の断層の様子によって揺れの性質は変わります。それからその場所の地盤によっても変わります。例えば被害想定というのが自治体で行われていますけど、そういう資料もご覧になりながら、どんな揺れ、どのような強さの揺れが来るかを考えていただくのが良いと思います」 [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

ニューステレビ朝日providedニュース企画本編のみサタステ能登震度7石川